計画と引き金

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「だりゃあああ!!」 「ぐうっ!!」 アランはレイの拳をなんとか鞘や拳で防ぎ続ける 「本気で戦え・・・アラン!」 「嫌だ・・・なぜ俺達が戦わなければならない! 俺達は仲間だろう!!」 「ぐっ・・・黙れ!! [閃光鬼神拳]!!」 レイの拳が電気をまとう 「だあっ!!」 アランは鞘でレイの突きを弾きあげる そしてそのすきに腹にミドルキックをくらわせた 「ガハッ!!」 レイは数メートル先へ吹き飛んだ 「もうやめよう・・・ こんなことをしても何も生まれない、何も変わらない この戦いに意味なんてない! レイ・・・お前は俺達の味方だ!仲間だ! 戻ってきてくれ!レイ!」 「うるさい・・・ なんでだ・・・なんでだよ!!」 「レイ・・・」 「強いアラン、英雄アラン、皆の希望アラン! いつでも憧れの眼差しをうけてた・・・ そんなあなたを私も見てた・・・」 「・・・」 言葉が出ない アランにはレイになんと言えばいいのかわからない その無力さが、無知さが、とてつもなく歯痒かった 「あなたに気持ちは届かない 傷ついた・・・どうしてって思った 私はあなたを裏切って、暗い洞窟にこもって」 レイは眼に涙をうかべる 「私は・・・闇に浸りたかった こんな気持ちもうやむやにできるような闇に いいも悪いも、全部見えなくさせてしまうような闇に! あなたのことを忘れたかった、闇に堕ちたかった・・・ でもダメだった・・・」 「レイ・・・」 「私はあなたのことを忘れられない 皆の笑顔を、光を捨てられない・・・希望を持ちたい・・・ でも私には無理・・・もう、無理よ・・・ 私の心はどす黒く染まってる あなたに勝手な恨みを抱いてる あなたを振りきらなきゃ前に進めない お願いアラン・・・私のために死んで・・・ めんどくさいと思われたっていい、ひどいやつと思われてもいい 私のために死んでアラン!」 「レイ・・・それはできない 俺は、勇者だから・・・!」
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