計画と引き金

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「はぁ・・・はぁ・・・」 全てが終わるとそこには巨大なモンスターが一匹横たわり動かなくなっていた 以前呪いのみ切り裂いたガラガラモンキーと違い、細胞レベルで肉体ごと変化してしまったレイを助けることはかなわない 「・・・レイ」 アランは眼に涙を浮かべる 一筋の涙がこぼれ落ちた 「あーあ、殺しちゃった」 恭介が無表情でつぶやく 「なんだと・・・ お前・・・なぜだ・・・! なんでこんなことができるんだ! 何がお前をそこまでする!!」 「欲さ・・・ 俺にはどうしても見たいものがある そのためならなんだってするさ さてアランお前が今ここで戦うのは得策じゃあない レイとの戦いでの疲労、人質、ナノ達との共闘、俺のホームグラウンド お前に不利な条件ばかりだと思わないか?」 「だったらなんだ! そんなことは関係ない!! お前を倒して、皆を取り返すだけだ お前の仲間が助けに来るなら倒せばいい!!」 「ほんとバカだな、人質の命は俺が握ってんだよ いい加減学んだらどうだ」 「ぐっ・・・!」 「そこで俺はお前にチャンスをやりたい お前に有益なチャンスをな」 「チャンスだと・・・?」 「お前に5日やる 5日後ここへ来い、一人でな そしたら俺とお前、一対一で話そうじゃないか そこで俺を説得できたら仲間は帰ってくる 別になんたかった戦うでもいいぜ? 要はお前と俺が最後に一対一で会う場を設ける お前はこの5日で自分に何ができるのかを考えろ」 「俺にできること・・・」 「うまく振る舞えば、仲間は帰ってくるかもしれない 俺も殺せるかもしれない もしくは何もできないかもしれない 全てはお前の身の振り方しだいだ」 「それで、全てが終わるのか・・・?」 「言ったろ? お前しだいさ お前にとって最後の5日かもしれない、楽しめばいい」 恭介は笑う アランはなぜ恭介がそんなことをするのかわからない 今ここで戦う方が確実に自分を殺せるはずだ 「わかった・・・! それ以外に皆を助ける方法はない お前のチャンス、受け取ろう」 「はははははははは・・・ じゃあ帰してやる お前の行動期待してるぜ?」 恭介は指をならす するとアランの前に転移の魔法陣が現れる 「また5日後に・・・」 アランは一瞥し、魔法陣のなかに消えていった
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