正しく勇者を殺すには

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「俺はお前に違うことを言って欲しかったんだけどねぇ どこに行っても安らぎはない、誰も頼ることはできない 失望と憤怒の眼差し 必死に人間のために戦った男へ向けられる悪意あるその眼差し 孤独・・・お前はたった5日ではあるが、その地獄に身を落としたじゃないか なのに、そんな・・・人質を盾にしていたぶるだと? そんな、誰でも思いつくようなことしか考えつかねえのかてめえはよ!! ふん、まぁいいか・・・」 恭介は指をならす すると 「・・・皆!!」 恭介の後ろにどこから吊るされているのか 両手首を鎖で繋がれ空中に宙ぶらりんにされたゴイル、ノーティ、フューズ 、オーズ、ライル、そしてティアが現れた 「以前俺は言ったよな? てめえの全てを奪うって 俺とゲームをしようじゃないか・・・」 恭介はアランにポケットから取り出した銃を渡す 7発装填式リボルバーである 「これは一体・・・?」 「俺の知ってる中でもかなりスリリングなゲームさ ・・・ロシアンルーレット」 「ロシアンルーレットだと?」 「ははは・・・てめえらには馴染みない言葉だろう ルールは簡単だ、その銃の中には七発弾が入っている こめかみに向けて撃て 一発は実弾だ、魔力も込められている 当たれば、いかにお前といえど絶命は免れない 後の六発は偽物で紙屑が出てくる仕組みになっている その紙屑には名前が書いてある・・・当然こいつらのな もし名前が出たらそいつはそこで罰ゲーム 内容は俺がその都度考える 1発のハズレを引けば、お前が死ぬ」 「ハズレだと・・・? 仲間に罰を与える球が当たりだっていうのか!!」 アランは激昂する しかし、この言葉すら完全に正しいと心の底から思えないアランがいた 「最後の一発までお前が生きてればお前と一騎打ちしようじゃないか 文字通り正々堂々とな お前の運がよければ、ここにいる全員を見殺しにしてお前は助かり魔王を殺せるってわけだ! これが当たりじゃなくてなんだっていうんだよ!! ははははははははっ!」
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