夢と希望<金と権力

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勇者の突然の登場など知るよしもない恭介は 「ここはどこだ?」 真っ黒な空間に立っていた 『ふむ、試験用に作られた異次元空間じゃの この格好では私の力は使いづらいからの、戦闘系は自力で何とかしてくれ』 「心配するな、自分の力がどの程度かはわからんが 仮にも魔王だし大丈夫だろ」 そんなとき空中に裂け目ができ、巨大な目玉が現れた 「ようこそ Sランク試験会場へ と、言ってもここには君の精神しか来ていないが 特別ランク決定試験Sランクは君が初めてだ どの試験でもSランクの試験内容は同じだけどね 私は試験官のガルグバス」 巨大な目が恭介を見つめたまま声を発する 「お前が誰かはどーでもいいんだけどさ、何をすればいいんだ?」 「ふふ、威勢がいいな 一次試験は体の強さを試す クリア条件は【死なない】こと 君が死ぬほどの攻撃をうけると自動的に君の精神は体に戻され不合格となる 健闘を祈る・・・」 そう言うとガルグバスは消えていった それと同時に 地面から黒いゴムのようなものが 盛り上がり人の形に変形した 数百体はいるだろう 「アァァァァ・・・」 ゆっくりと近づくゴム人間 「ははは、上等だよ 来い!」 「ガアァァァァ!!!」 ゴム人間が一斉に飛びかかり恭介に覆い被さっていく 恭弥の姿は見えなくなった 「うっとおしい! あああああああ!」 けたたましい咆哮とともに 爆発が起きゴム人間が消し飛ぶ 「ん?なんだ? 意外にもろいじゃねーか・・・」 ?違うな、Sランク試験の内容はシンプルだがその分難しい・・・ 単純にお主の力が強すぎるのよ 杞憂じゃったか、私の心配は?? 次々と現れるゴム人間は、休むことなく恭介に襲い掛かる 「チッ 全部消し飛ばしてやる はぁぁ」 恭弥の手に赤黒いオーラが集まる 『普通に使えるではないか、魔王の力』 「あぁ、イメージトレーニングの成果だぜ」 『ふふ、侮れんの』 恭介の手から放たれた魔力の球は空中で分裂し、ゴム人間を追尾していく そしてすべてのゴム人間を貫いた 「これで終わりか!」 そのとき、再び地面が隆起し ゴム人間が生まれた しかし 「赤い?」 「うあぁぁぁぁぁ・・・」 赤いゴム人間が現れ、うねうねと形を変える 『変形しとる このゴム、学習し、相手にあわせて変形できるようじゃな』
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