正しく勇者を殺すには

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ッパァァァァァァァァァン!! 「ああああああ!!」 ライルも同じく首から上がはじけとんだ 「あぁ・・・あぁぁぁ・・・ まだ、俺は・・・引き金を引いてないのにぃ・・・」 ライルが死ぬ瞬間 最早直視できない、圧倒的な死の現実 アランには子供のように泣くことしかできはしない 「ふははははははっ さぁ、後はティアだけだな? 引き金を引け、あと少しで終わるぞ それとも、無条件でお前が爆死するか?」 「うぁぁ・・・ぁぁぁぁ・・・」 アランは震える手で銃を握る もうやるしかない 生きたい アランは今、人生のどのタイミングよりも生を感じていた もはや、魔王を倒すとか世界を救うとか仲間を助けるとかそんなことは頭の片隅の端の端までおいやられていた アランはもう、自分の生き残る術しか考えられずにいた 「はぁ・・・はぁ・・・ はぁ、はぁ、はぁぁぁぁぁ」 「くくくくく・・・ ははははははは・・・」 アランは額に汗を流す 顔中の血の気が引き、その顔色は青白い 反比例するように顔は血や汗や涙でぐしゃぐしゃ、見る影もない アランは引き金に指をかけた もう後には引けない やるしかない アランかティアのどちらかが死ぬのだ バァン!! 「ぐっ・・・!」 「さぁ・・・どうなる?」 ピーーーーーー 「っはぁ・・・!?!」 機械音が鳴り出す 鳴ったのはアランの爆弾 腹部から、なる機械音は地獄へ誘う死神の足音と相違ない 「ここで終わりか? 勇者様の伝説は!冒険は!人生は! ははははははははは!!!」 「嫌だ!!嫌だぁぁぁ!」 「ひゃははははは!! 嫌じゃねえ、死ぬんだよ!!」 「止めてくれ!! あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 アランは取り乱しその場で暴れる 自分で自分の腹を殴りつける、口から血を吐き出そうとも関係ない 爆弾を破壊するために持てる力をぶつけ続ける 最早そこに勇者の威厳は存在しない 「そろそろか・・・」 恭介はナノを見る ナノは無言で頷いた ピピピピピピピピピピピピ 「待て!!待て!!待て!! 止まれ!!止まれよ!! あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!くそぉぉぉ!! 嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 アランは感情を露にしてのたうち回る
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