正しく勇者を殺すには

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ピピピピピピピピ 「ひぃっ!!はぁぁぁぁぁぁぁ!!」 プシューーーー! 「はぁっ!?」 アランの腹についていた爆弾とティアの顔についていた爆弾が煙を噴きながら同時に外れた 「どうして!?」 「ははははははは・・・」 恭介は知らぬ間に少し離れたところに立っている そしてその横にティアがゆっくりと降りてくる 「さすがに可哀想だろ? 仲間が殺され・・・激痛を与えられ・・・ そして何も果たせないまま死んでいくなんて 最後に生き残った希望は、箱入りお姫様ときたもんだ だから、命だけは助けてやるよ」 「はぁっ!はぁっ! ほ、本当か!? ほ、本当に!助けて・・・」 「ただしティアを殺せ」 「は・・・」 言葉の意味がわからない 理解することができない (ティアを・・・殺す? 誰が?俺がか? なぜ? でも、助かる それで助かる・・・) 「ほら」 アランの元に勇者の剣を投げ渡す 「それ使ってティアを真っ二つにしろ 文字どおり真っ二つにな」 「まっ・・・ぷたつ?」 「そう、そうすりゃここから出してやるよ お前は・・・解放される」 アランは、足元に転がる剣をゆっくりと握る (やるのか・・・本当に・・・?助かるぞ? 相手はティアだぞ?でも、俺は助かりたい!魔王を殺す!仲間が死んだ・・・許されない・・・俺は死にたくない死にたくない死にたくない助けるんだ・・・何を?何を助ける・・・何のために?なんでここに立ってる?ティア綺麗だな・・・いつもそうだった、彼女を真っ二つ・・・真っ二つか・・・あれ?なに考えてるんだ何をすべきなんだ?何をすればいいんだ?殺せばいいのか?何を?ティアと恭介が並んでる?どうして?殺すべきは?どっちだ?殺す?俺が?剣・・・俺は勇者・・・世界の英雄魔王を殺す・・・殺されるぞ、誰が?俺が?人望?人が望んでる・・・平和か・・・なにそれ?俺はなに望んでんの?恭介が・・・皆死んだな・・・俺も死ぬのか?死にたくない・・・死にたくない死にたくない死にたくない・・・殺せ・・・死ぬくらいなら殺せ・・・!殺せ・・・!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!) 「・・・」 恭介はにやっと笑った アランはゆっくりと剣を引きずり近づいてく
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