正しく勇者を殺すには

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『いがみ合っておった者達が一緒になって私を応援しておる 身体に同じ恐怖を味わったからか その恐怖を払拭しようと、嫌い合う者同士が結託した 本当に凄いのぉ 私では・・・私1人では・・・ここまで来れなんだ なぁ、恭介・・・お主は本当に頭が回る 恭介・・・本当にお前は・・・ 最後まで・・・! 最後まで悪役のつもりかっ!?』 ナノは叫ぶ 目に涙を浮かべその膨大な力が溢れるのを抑えて 気持ちを恭介に伝えたくて 何を言えばわからなくて ただ叫んでいた 『何故じゃ!!恭介!! お前だって・・・お前だってなれたはずじゃ!! アランなんかよりももっと優れた勇者に!!」 「・・・終わりの時だ」 変身してから初めて発したその言葉 たった一言 その一言がなんと重いことだろう 『っ・・・・!? ・・・そうか、そうじゃな 何事にも終わりは来よる・・・ ふぅぅぅぅぅぅぅ・・・ はあっっ!!』 ナノがまばゆい光に包まれる 白いドレスに身を包み 背中から、大きな神々しい翼を生やし 神としての存在感に溢れ 威厳と自信に満ち溢れた 神としての真のナノの姿がそこにはあった 『恭介・・・礼は言わんぞ・・・』 恭介は再び笑った
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