正しく勇者を殺すには

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人間、魔族、精霊の避難場所 そこは精霊の里だった 恭介が唯一襲わなかった場所である 「どうなったんだ・・・」 「わからん・・・だが俺らはもうあのナノとか言う子を頼るしかねぇ・・・」 人間達は不安になりながら自分達の未来の結果を待っていた 無論魔族や精霊も 「恭介・・・」 リリィはずっと祈り続けていた その祈りはナノの力の一部となったのだろう 「おい、あれなんだ!!」 1人の人間が空に向かって指をさした 「恭介!?」 リリィは空を見上げる そこでは無数に舞う美しい金の粒子が闇を晴らしていた 太陽の光が差し込む 「光・・・光だぁ!! 闇が晴れたんだ!!」 人間達は奪われていた太陽の光を取り戻し歓喜に包まれる そしてもう1つ 金の粒子の中に美しい女神のような姿になったナノが浮かんでいた その姿は幻想的で誰もが目を奪われてしまう それほどの支配力と威厳に満ちていた 「ナノ・・・!」 ナノはゆっくりと近づいてくる 魔族、人間、精霊は反応こそ皆違う しかしそれでも自分達が生きられる未来を確信した瞬間 安堵と喜びに満ち溢れた 『皆・・・待たせてすまんかったの・・・』 これがこの世界の新たな神様が放った最初の言葉だった
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