失くしたもの

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『・・・』 ナノは封筒を見つめていた 恭介が死ぬ直前に渡した封筒だ 《開けるの・・・恐いの・・・》 恭介が託した封筒 恭介が何も説明せず何かを渡すとき それは恭介の計画に利用されるときだ つまり言いかえれば、恭介は死ぬ直前にナノに何かの仕事を託して死んだことになる 『恭介の最後の・・・ 私にできるんじゃろうか・・・ 失敗したら私はやつに顔向けできんよ・・・』 しかし開けなければ、それこそ恭介にむくいることができない ナノは恐る恐る封筒を開ける 真っ黒な小さい封筒はなぜか強い存在感をはなっている 『これは・・・?』 封筒の中には真っ赤な紙が入っており、そこには白い文字でこう書かれていた ーーーーーーーーーーーーーーー 俺の全てがある場所へ ーーーーーーーーーーーーーーー 『恭介の・・・全て・・・? もしや・・・!?』 ナノは心当たりがある 否、心当たりなどという不確かなものではない 吟味する前に走り出していた 確信があったから
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