失くしたもの

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「この世界につれてこられたとき・・・お前から異世界の説明を受け勇者を殺せるかもしれない 憎んで憎んで憎み続けたヒーローを!主人公を!俺が殺せるかもしれない! そう思ったときゾクゾクしたぜ・・・ だが、俺はお前を見てふと思っちまったんだ 神とは何か・・・と 神・・・全ての頂点に立つ存在 絶対的で、圧倒的で、理不尽で、不条理で、最強だ・・・ アイナスこそ・・・真の主人公たる存在 勇者なんじゃないかと思ったんだ・・・ なんたって勇者作れんだもんなぁ そんとき納得したぜ なぜ世界中に神殺しの伝説が存在するのか 俺みたいな奴が気づいたのさ そして牙をむこうとして、ナノのような奴等に殺された だが、それだけなら俺のような奴が伝説になるわけがない アランみたいな奴が盛り上げ捏造し作り替え 世に発信したんだ!」 『・・・』 アイナスには話が見えてこない 恭介が何を言ってるのか理解ができない 「ふははは・・・そんなんどうでもいいか・・・? 俺はな、アイナス お前を殺す方法を考えた だが無理だとすぐ悟ったよ 俺はお前から力を借りてる身だからな なら俺はせめて・・・ お前の表情を壊してやろうと思ったんだ・・・」 『表・・・情・・・?』 「お前のそのへらへらした顔、なんとかして崩したかった だが、どうやったら崩せる! そう悩んだ俺はある方法を思い付く お前自身じゃない お前な大切な物を壊せばいい」 恭介は笑いながら楽しそうに話す まるで自分の成功を友人に誇るかのように アイナスは信じられないという顔で恭介を見ている 「だが、その大切な物が一体何かわからない そこで俺はとりあえず異世界に行き探すことにした」 『っ・・・』 アイナスは何かを言いたい この怒りを言葉にしてぶつけたい しかし、何を言えばいいかわからない さらには恭介の話に聞き入ってしまっていた
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