失くしたもの

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「異世界につきナノに会い、この世界のことを聞いたとき 思った もしかしたら、もしかしたら! 世界そのものがアイナスが大事にしていたものなのかもしれない! だとしたら、わざわざ俺を時間と労力をかけてここに呼んだ理由も頷ける だが確信はなかった とりあえずはそのまま様子を見ることにした それにもし、この世界が大事な物だとしても 破壊する方法が思いつかない 砂漠で力試ししていたからな・・・ 生半可ではダメだ 阻止されるか、再生されるか・・・ なんにせよ一気に、そして瞬間的に総てを消し去らなければならない それに破壊の瞬間まで、アイナスにもナノにもばれてはいけない 障壁は多かったぜ 俺の元いた世界が今のような状態になるまで約46億年 気の遠くなるような時間だ ならばナノ達の世界だってきっとそれほど時間がかかってるはず 確信は無かったが、この世界こそアイナスの大切なものだと仮定して作戦を練ることにした それ以外考えられなかった 折角だから・・・ より屈辱的に・・・プライドをズタズタにしてやろう・・・ それをするには やはり持ち上げてから落とすのがいい 全てを終えて喜ばせてから ナノを使って壊してやろうと思ったんだ 当然、他にアイナスの大切なものが見つかれば破壊するための準備もしながらな ナノを使うためには、まず信用させる必要があった ナノは俺以外に頼る奴がいない それを利用すれば簡単なことだ アランの仲間を先に殺すといいながら アランに宣戦布告して、急展開を作ってみたり ナノに何も言わずに行動を起こして不安を煽り続けた しかしそれでもナノは俺を頼るしかない そこで急にナノに優しくすれば・・・あいつは簡単に俺を信じてくれた 面白いほどにな!」 『狂ってる・・・』 「褒めんなよ・・・」 恭介はにやっと笑った
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