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『・・・きよ
・・・起きよ!
起きよ!恭介!』
「なんだ・・・?
ナノ?決まったのか?」
寝てしまっていたようだ
慣れない戦闘が長々続いたことは、疲弊をかなりもたらしたらしい
精神だけで行われたせいか時間は30分ほどしかたっていなかったのだが、その精神への負担はかなり大きかったようだ
『決まったのかではないぞ
いや、決めたのだが
あんなに揺れたのによく寝てられるのぉ
あんなにうるさい【うるさい】は初めてじゃのぉ・・・』
「なにいってんだ?
まあいいや、早く買ってこう
どれだ?」
『案内しよう
こっちじゃっ』
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「・・・おーい着たかぁ!」
『うむ、少しまっとくれ!』
「・・・全く、屈辱的だ」
ナノが持って来てほしいと頼んだものは
女性物のズボン
女性物のスポーツブラみたいなの
女性物の シャツみたいなやつ
女性物の外套
女性物の下着一式数セット
「あのタイプの軽蔑の目初めてだ・・・」
女性客からとてつもない目で見られた
『おしっ着たぞ!』
「よし、見せてみろ」
カーテンが開く
「これは・・・なかなかいい」
『そうか?似合うか?』
ナノは元々かなりの美人だ
しかし服を着るととてつもなく似合う、可愛い
通りすぎる男が皆振り向くほどだ
「いや、流石だな
もとがいいからな」
『ふふふ♪そうかそうか!
そうじゃ、恭介は服を買わんのか?
その不思議な装いの服はちと目立つぞ』
「わかってるって
実はな気になる服があったんだ
寝る前に選んできた」
『ほぉ、恭介はどんな服が好みなのかのぉ!』
(完璧に買い物にきた女子だな)
「これだ」
『恭介・・・
これは、ちと無理じゃな』
恭弥が選んだのは
黒いタイトなズボン
黒いシャツ
黒いコート
黒ずくしの服だった
シャツとコートには赤く人の名前のような刺繍が小さくしてある
「無理?なぜだ?」
『なにも知らんお前がこれを選ぶとはお目が高いとしか言いようがないの
これは世界規模でかなり有名な職人が作り上げた代物での、見た目からは想像もできん耐久性を誇っておる
つまりは値が張って買えん』
「チッ
しょうがねぇ
違うのを買うか」
ばたんっ!
突然服屋のドアがあく
「その服、俺が買ってやる!」
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