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「茜、今日大丈夫?」
「竜くん。うん、大丈夫」
仕事の終わりごろ、書類を提出しにいくと須坂さんにこそっと言われた。
あたしたちはお互いを〝茜〟〝竜くん〟と呼ぶようになっていた。
2人の関係はまだ誰にも内緒。
竜くんの教育係という立場上、手を出したなんて知られたらまずいし。
『いまなら立場上も一緒に入れんのに、バレて離されるのが1番困る』
恥ずかしそうにそう言ってくれたのを思い出す。
普段なかなか愛情表現のできない竜くんだけど。
だからこそたまに愛情表現をするときがものすごく嬉しい。
これでいいのかもなって思ってる。
「最近、茜残業ならないよな」
カバンに荷物を入れて帰り支度をしていると元太に話しかけられる。
「ちょっとは仕事になれたってことかな?」
なんて笑顔で返すと
「そうだな。頑張ってたもんな」
って頭を撫でてくれる。
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