写真たてに思い出を

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「じゃあ元太にだけ言います?」 「は?なんで」 「竜くんと付き合ってること知ったら元太だってあたしとの関わり少なくなると思うし…いまのままだと変えれないですよ」 付き合ってることを言ってしまえば、さすがに元太だって諦めてくれるだろう。 それか元太に告白されて振るかのどちらかだけどまだ告白とかの段階まではいっていないような気がする。 「それでバレたら困るから絶対に言わない」 「元太はそんな簡単に言う人じゃないですよ」 「そんなのわからない。人なんて信用できない」 答えた竜くんの声がとても低くてなにも返せなくなる。 車内には不穏な空気が流れて、外を見ればどんどんと変わる街並みがあった。 「どうして人を信用しないんですか?」 沈黙に耐えれなくなって、自分から話しかける。 「いつか裏切るだろ。この世の全員」 なにか闇を抱えていそうな竜くんの言葉に胸が苦しくなる。 あたしにはなんでも言ってくれたっていいのに。
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