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「なにそれ…この世の全員?」
「ああ、そうだ」
答える竜くんの感情は読み取れない。
でも、この世の全員って、それじゃあまるで…
「あたしのこともそう思ってるんですか?」
あたしだってこの世の全員には含まれるはずだ。
「そうだよ。裏切らない人間なんか存在するわけがない」
「…なに、それ」
付き合っていくってお互いを信用していくことだと思っていた。
竜くんとあたしの価値観は相当違うようだ。
「信じられるのは自分だけだ」
あたしがどんな風に思っているのかなんて気にする様子もなく、持論を繰り広げる。
こんなのあたしの中で付き合ってるなんて言えない。
相手のことを信じないで付き合っていくなんてあたしには出来ないし信じてもらえないなんて悲しい。
「そんな風に思われてなんて付き合って行きたくない!」
「茜?」
珍しく叫んだあたしの顔を運転席からちらっとだけ見た。
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