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プロローグ
私、堂本栞 21歳 大学生。
私は小さい頃から酷い人見知りで、友達と言える友達も居なかったが特にそれで困る事はなかったし、私には大好きな本があった。
同じ年頃の子と遊ぶより、本を読んでる方が私には楽しかったのだ。
本の中には不思議なことが沢山溢れている。自分のいる世界とは全く違う世界に、いつも目を輝かせ胸を弾ませていた。
本の中の私はお姫様になり、王子様に恋をした。
時には勇者となり冒険もした。
カエルやアヒルになった事もある。
そんな夢の世界に入る事が、私は大好きだったのだ。
そのせいか、二十歳を過ぎた今も人見知りは治っておらず、人付き合いはいまだ苦手なのだ。
入学当時サークルの勧誘に、どれ程怯えたことか、今も思い出すだけで動悸と眩暈がする。誰とも関わらず、大学と家の往復だけで充分幸せなのだ。
いつも一人でいる私は、講義は最後席のいちばん端の席にひとり座り、講師とも目を合わせない様に、伏目がちに講義を受けている。
そんな私の楽しみは、講義の合間に大学の図書館で本を読むこと。
そして、今日も図書館へと向かう。
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