第1章 出会いは一期一会

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 彼の言うとおり、栞は喋れない訳じゃない。両親や兄となら普通に喋れる。 でも…他人と話せる様になる迄には時間が掛かってしまう。 「まぁいい。その本は10万ね?」 「…っ⁉︎」 (10万って…そんなにする?) 「その本は状態もいいからね」 (でも…欲しい。 これは、お祖母様の本で…わたしの本だもん!) 「…ぁ……ぁ…あした…」 「あー持ち合わせ無いの?それは残念だったね?」 男はそう言うと栞から本を奪い取り、近くのホコリの積もった本の山に積むと、再び本を読み始めた。
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