第1章 出会いは一期一会
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栞は手を握りしめ、何も言えず立っていた。 その時の栞は人見知りで喋れないというより、男の態度に腹を立て、怒りで言葉が出なかったのだ。 いくら状態が良いとはいえ、10万という金額は誰が聞いても納得する金額ではない。 栞は何より大切な本を、無造作に置かれホコリを被った本に置いた事に腹を立てていた。 「なに?買わないなら帰ってくれる?気が散って本に集中出来ない」 「っ……!?」
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