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その日の帰り道は、なんだか体が軽いような気がした。
休日の朝から呼び起され、最後の片付けもすべて一人でしたのに、清々しいまでに自由な2人の姿にちょっぴりだけど元気を貰えたからかもしれない。
まぁ、迷惑に変わりはないんだけれど。
9月に入って2回目の日曜日、初めてシンの声を聞いた日、この日を最後にそれから1週間の記憶がない。
早朝からケーキの仕分け、授業なんて受けるだけで精一杯、理解するなど不可能で、最低限出なくてはいけない授業だけ出て、心の授業は2日連続で休んだ。
もう卒業も危ういけど、今後どうするかを考える時間もないので、ただこの濁流にのまれたような毎日を無心で過ごした。
9月18日、日曜日。
さすがに休めるかと思っていたけどやはり、朝だけは出て、と言われ時刻は既に14時。
もう制服は着替えてるからようやく帰れる。
今から丸山さん、いや、丸山にまとまった休みを貰えるよう相談しに行く。
ガチャン。
お疲れ様です、と事務室に入ると、パソコン前で加湿器を顔に浴びながら、仕事の電話とは思えないような甘えた声でどなたかとお電話中だった。
「あ、うん、分かったぁ! じゃーねー、バイバーイ」
スマホを置き、私にご機嫌な笑顔で、どしたの? と聞いてくる。
どしたの、って聞かなくても分かるでしょ普通。
「先週から全く休めてなくて、学校も行けてないので、まとまったお休みをいただきたいです」
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