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「あー、お休みね。えっとえっと......」
仕事と関係のない雑誌や古いノートなどでグチャグチャになっているデスクから今月のシフト表を見つけ出し、んー? と顎に人差し指を当てながら考えている。
正直、私はどんなシフトなのかを知っているから、これは遠まわしに丸山さんに変わってくださいとお願いしているようなものだ。
自分の出勤時間を早め、他の人達との時間を組みかえれば十分にお店を回せる。
そこまで分かっているから、今丸山が考えている事は大方察しがつく、自分の休みを確保する為のシフトを練っている筈。
でもそれは無理だから、もうそろそろ私の本意に気付くかな?
「うーん、ちょっと厳しいなぁ、もう少しでヘルプさん来てくれるらしいしさ、頑張ってくんないかな?」
「いや先週もそれ言ってたじゃないですか。
もうこれ以上は無理です、今日だって本当は休みなのに」
「そうよねぇ、ごめんごめん。
オーナーは全然現場の事分かってないから、白石がいれば大丈夫だろうとか言ってるのよ多分」
またオーナー。もうこんな作り話には付き合ってられない。
シフト表で半笑いのまま顔を扇ぐ姿に神経が逆撫でられた。
「.....じゃあ辞めます、オーナーにそう言ってください」
いつもならここで向こうに合わせて軽く笑うけど、今日は無理、疲労は限界だし、我慢も限界。
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