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右手に小顔ローラーを持ったまま、ゴミ屋敷のようなデスクに座っている丸山。 シンはデスクの横に立って、瞬き一つせず、気の立った表情で目の前を見下ろしている。 大学の教授、とでも説明したのだろうか? 丸山が、はい? 教授? と顔を真っ赤にして怒っている所に私は突入した。 「白石さ、あ、え、もしかして」 キャスター付きの椅子の背にもたれながら、私を見つけ、どうやら何かを先読みしたようで、もう一度シンの顔を見てから、筋が出来ていた眉間の力を緩めた。 「もしかしてさっきの話? 休みが欲しいとか辞めるとか」 困った顔をしている私を見ながら、吹き出して笑う丸山、そのままグリグリと頬にローラーを当て始める。 「ハハハハ、だからすぐには無理だって、オーナーに聞いてみなくちゃ。 フッ、わざわざ教授に告げ口する必要ないじゃない、もう大袈裟だわホント」 子供の戯言とばかりに馬鹿にしたような態度に、治まっていたイライラが一気に蘇る。 お腹の奥底に渦巻く黒い感情が上昇してき、今にも口から飛び出そうだ。 何とか奥歯を噛んで堪え、拳を強く握りしめる。 緩い表情でパソコンに目を移し、チラ、と真横のシンを見上げた丸山。 私は何も否定できずに、ただ、目の前を見ることしかできない。 またも無力さを痛感し俯いた。 と、次の瞬間ーー、 突然、シンが両手を大きく振り上げ、そのまま思い切り振り下ろす。 バアアアアン!!
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