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久しぶりの講堂。
相変わらず他に学生の姿はなく、教壇の正面の指定席に座って待つ。
授業開始までの間、気になるシンの事を調べてみた。
“心 金持ち”
“心 社長”
“心 寝不足”
“心 切り裂きジャック”
全然シンの事は出てこず、怪しい宗教本やホラー映画などが出てきてしまった。
肩を落としながら、“心 不愛想”と入力した時、左側の入り口からシンがゆっくり入って来た。
白のワイシャツに黒のスラックス、白のサンダル。
今日も眠たげな目で、ウサギの耳みたいな寝癖が右の側頭部に出来ている。
私の方をチラ、と見てそのまま無言で歩いてき、一人分の間隔を開けて隣に座った。
「......」
表情がないから機嫌がいいのか悪いのか分からない。
また両手叩きを繰り出されたら怖いから、様子を窺いつつ、おはようございます、と言った。
「.....はよう、来たんだ」
ほとんど囁きに近いほど小さな声。
静かな講堂だから聞こえるけど、外なら絶対聞こえない。
「はい。
まぁ、色々とあってちゃんとお休みもらえ......、あ」
話している途中、スーー、と力が抜けたようにこちら側に倒れてきたかと思うと、そのまま太ももに頭を乗せられた。
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