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「ふぁーあ。休み、もらえたんだ」 仰向けになって上目遣いでこっちを見ながら、ごく普通にアクビをしている。 「はい......、お陰様で。 色々とありがとうございました」 あまりにも普通に言うもんだから、私もツッコむ事を忘れて、普通に返してしまった。 外との音が遮断されていて、聞こえてくるのは冷房の動作音とシンの静かな鼻息。 おかしなもので、初めて膝枕した時よりも動揺していない自分がいる。 いーえ、と言ったシンはそのまま口元を僅かに緩めて幸せそうに目を瞑ってしまった。 Buuuu!! 授業開始のブザーが鳴ったけど、シンは動かない。 今日は来ないのかな、バナナ星人。 「今日は明人さん休み、ですか?」 「別の用事」 返事早っ。 即答で返され、そうですか、と話が終了してしまった。 本当は聞きたいことだらけなんだけど、切り出し方が分からない。 まず、名字を教えてもらいたいのと、本当の仕事は何なのかと、どうして助けてくれたのか、なんで机を叩くのか、他にも謎めいてる部分全てを明らかにしたい。 「カメラ見せて」 「ぁ、はい」 突然目の前に生えてきたシンの手。 反射的に返事をしてしまい、姿勢は保ったまま横に置いたカバンを漁る。 これは一体何の授業なの? 私も私でおかしい、このあり得ないシチュエーションを受け入れてしまっているんだから。
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