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女が受け取ったら、走って逃げてもいい。
女は追いかけてこないらしい。
だから決して、女の問いかけに答えてはならない。
子供が助かる方法は「インベーダーゲーム」の100円を渡すだけなのだ。
先生たちはこの噂を知ってか知らずか、噂を訂正することはなかった。
この小さな町の小さな小学校は、放課後まで恐怖で破裂しそうだったのである。
授業が終わると、少年は走って帰宅した。
下校中もいつもの道に“口裂き女”がいないか、細心の注意を払って帰る。
女が来るのは明日だが、油断はできない。
少年は家にたどり着くと手も洗わずに家中の雨戸を閉めて回る。
“口裂き女”が家に押し入って来るかもしれないからだ。
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