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「あんた、なんしようとね?」
息子の異様な行動に母親がいぶかしげに尋ねる。
まだ、日没には早かったからだ。
「“口裂き女”が来ると!学校でみんなが言いよった!!お母さんも外に出たらいかん!!」
息子の必死な説明を聞いていた母親は呆れたように笑った。
「そげなとがおる訳、なかろうもん!そげな話、嘘に決まっとるくさ!」
「そうかいな?」
「決まっとろうもん!」
母親の自信満々な態度に少年は少しだけ安心する。
だが、心配なのは明日なのだ。
翌朝、少年が登校すると事態は一変していた。
「“口裂き女”は嘘やったげな」
「100メートル何秒で走りきるなら、オリンピックに出られろうもん!」
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