第1話『始動』

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   さかのぼること19年前。時は1998年。世界を動かす出会いが、ある一室で起きた。  レコード会社『ラピッド』の社長室。  幼き6歳の白神永遠(しらがみとわ)がソファーに座り、机にパズルを広げて遊んでいた。 「こら永遠。もうすぐお客さんが来るんだ。パズルをしまいなさい」  永遠の父でもある白神社長が席で仕事をしながら急かす。  永遠は鼻歌を歌いながら、 「あとちょっとでできあがるのー!  てつだってよ!」  直後、ドアをノックする音。 「来たかな? どうぞ」 「失礼します」  声がして、ひとりの女性が入ってきた。
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