人間不信

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 末っ子だというせいもあり、家ではいつも大切にされ、祖父母や両親だけでなく、兄や姉からもかわいがられてきた。  学校では、真面目な生活態度だった事もあいまって先生からも良くしてもらったし、男の子からはたくさん告白され、女の子からは頭をなでられたり抱っこされたり、まるでマスコットのようだった。  傍から見れば、何の苦労もなく甘やかされてきたように思えるだろう。  実際、それは間違いではない。  璃々自身、甘やかされてきた事は自覚している。  しかしその事こそが、実は璃々にとって大きな重荷となっていた事には、おそらく誰も気がついていないだろう。
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