1. the mercenary

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「…マリア。落ち着いて聞いてくれ。 祐也と理紗は………天国に旅立ってしまったんだ」  ウソよ! わたしは生きてるのに…なんで?   いろんな想いがぐちゃぐちゃになって、泣かないって決めたのに、わたしは声を上げて泣いていた。  パパとママが居ないセカイなんてある訳ない。  イヤだよ…ちゃんとお利口さんにしとくから一人にしないで… 「マリア。お前は一人じゃない。オレが傍に居る。 だから今は、気が済むまで泣けばいい」  パパとは全然違う、ゲイリーおじちゃんのゴツイ手がわたしをぎゅっと抱きしめる。  それはとても温かくて、何だか急に眠たくなって、わたしはゲイリーおじちゃんに言った。   「何だかとても眠いんだ。 ねぇゲイリーおじちゃん、わたしが眠るまで傍にいてくれる?」 「ああ。今はゆっくり眠れ」 「うん。おやすみなさい」 「おやすみ。マリア」  いつもわたしとの約束を守ってきた、ゲイリーおじちゃんのコトバに少し安心しながら、わたしは目をつぶった。  夢の中で、もう天国に旅立ったというパパとママに会える事をねがいつつ…
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