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俺が何故こんな幽霊列車に乗るような事態に陥ったのか……
よく考えてみると、生きている人間が死人の列車に乗れるわけはない。
そう考えると、身に覚えもある気がする。
それはある事情から家に引き籠もり、その後社会復帰、新しい友人から誘われた飲み会の帰りだった。
そこからが思い出せない。
酔ってふらついた足で駅に向かう途中、強烈な光を浴びたような気がする。
あれは、もしかしたらトラックのライトだったのだろうか。
いや、その後に駅の階段で転んだような記憶もある。
もしかしたら、その時、頭でも打ったのか……
そう言えば、ホームで見覚えのある女子高生に睨まれたような……
確か、「光に帰れ」とかなんとか云っていたが、ひょっとして、俺は刺されたのだろうか……
要するに、俺は死んだのだろう。
だから、最初こそ驚いたものの、暫くするとその光景に慣れ、死人の群れに対して恐怖を感じなかった。
俺も、彼等の仲間なのだろうから……
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