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武士(たけし)との話を終えての帰り道。周りは薄ピンクの色で満たされている。髪が重く感じ手を遣ると横殴りの雪が髪を覆うように積もっている。払ってみた。雪は風にのってまた細かくなりながら飛び去っていく。周りに人影もなく歩く道程、方向感すらなくなっていく。この白い世界で、いまここに居るのは私だけのように思える。
紅い陽光を薄め淡いピンクに染まった世界。すべてが雪で覆われた空間。ときおりすれ違う車と思しき薄白い塊が急にあらわれては消えていく。近くの建物は全く判らないのに、遠くの山の端は幸に霞んで朧気に見える。
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