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『あんなやつに振り回されない! 』と急に思い立ち、膝を高くして強く雪を踏みしめる。深く刺さった足の裏が圧着して、引き抜くとき、くっかっ! という感じで足を取られる。
「もう一体何なのよ? あんたも私を馬鹿にする気?」
なぜか足元の雪に向かって悪態をつく。
ただ武士のふと口から転がり出た言葉が、これからの二人の関係を暗示しているように思えて気がかりで、怖くて、仕方なかった。よく考えて話した訳ではないから、本心が隠れているように思えて不安にさせる。
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