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 いろいろな二人の思い出と、過ごした時間をかき消す言葉の雰囲気がただ悔しかった。  あたりが急に暗くなる。太陽がその残り火を沈めたのだろう。薄ピンクの世界は薄黒いグレーの世界に一瞬でかわる。寒さは一段と厳しさを増す。思い出したようにフードをかぶる。一陣の風が舞い狂い、風花の小さな渦となって現れる。急にその白黒の陰影が武士の顔となり、その口が急に開く。
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