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あの日から、恵美と出かけるたびに窓を通して彼女の寝顔を見てきた。最初に思った通り、決して飽きることはない。それどころか、今日のように反対側に人が座っていると、早くいなくなれと願わずにはいられないほどだ。きっと奏太は今、恵美が知らない不機嫌な顔をしているだろう。
恵美が奏太の地下鉄に乗る理由を当てられることはない。
だってその答えは、恵美が寝ている時にしか現れないのだから。いくら考えたって恵美が思いつくとは思えなかった。
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