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『図星、か』
「あのねー・・・・圭輔さ、」
『いますぐこい』
「・・・・は?」
『いますぐ俺ンちこい。一時間以内な』
「ちょッ!無理!」
ここから圭輔の家まではたとえ急いだとしても一時間以上はかかる。
だいたい、すぐ側の店ではもう今日のメンバーが勢ぞろいしているはず。
冗談じゃねえ、という抗議は、圭輔の恐ろしい一言で打ち消された。
『俺が乗り込んでいってもいいのか?』
ガクリとその場にしゃがみ込んで、頭を抱えた。
性質の悪い脅迫・・・・いや、この男の場合、ただの脅迫なんかじゃない。
ああ、もうなんだって自分はこんな男に捕まってしまったんだろう。
「・・・・・・・・了解」
諦めのため息と、圭輔の愉快そうな笑い声と共に通話は切られた。
その携帯を忌々しげに見つめながら、重い動作で今頃隣の女子大の女の子相手に鼻の下を伸ばしているだろう友人に電話をかけた。
明日大学で散々な目にあうことを予想しながら・・・・。
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