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「いらっしゃーい」
「・・・・」
予想通りの爽やかな笑顔に出迎えられて、荒い息を吐きながらガクリと項垂れた。
「意外と早かったなぁ。でも、五分遅刻」
「あのねー・・・・」
ゼエゼエと肩で息をしながら恨めしげな視線を向けた。
これだけ必死で急いできたというのに、そんな非情なこというか?
とゆーか、最初から無理難題押しつけたクセに。
五分程度の遅刻で済んだことをほめてもらいたいくらいだっての。
そんなことを眼で訴えても、当の圭輔はフフンと鼻で笑ってる。
文句をいいたくても、さすがに全力疾走のあとで喋るのはしんどい。
「ペナルティな」
「・・・・は・・・・?」
玄関のドアを閉めながら、圭輔がにやりと笑った。
ヤバイ、と思ったのは次の瞬間で。
伸びてきた長い手で、そのままドアに押しつけられた。
「・・・・ッ!」
顎を捕らえられ、形のよい唇が狙ったように重なった。
逃げようにも、身体は圭輔の全体重で押さえられているせいで身動きが取れない。
押し返そうとした手だって、まんまと圭輔の手に掴まれてしまった。
とゆーか、どこにこんな馬鹿力があるんだよ?
「ちょ・・・・ッ、ンっ・・・・」
ぬるりと入り込んでくる舌にが、好き勝手に動き回る。
ただでさえ酸欠状態だった頭に拍車がかかって、ぼーっとしてきた。
ヤバイ、これはヤバイ。
いままで何度かされてわかったけど、圭輔はキスがうまい。
俺だっていままで人並みに彼女がいたけど、こんなふうにキスだけで相手を翻弄してしまうなんてできなかった。
やっぱ経験値の差か?
男としてそのテクニックにはあやかりたい気はするけど。
とゆーか、マジでぼーっとしてきた。
頭ン中が真っ白って感じ。
相変わらず好き勝手動き回ってる舌が、敏感な粘膜を刺激する。
気持ちいいのかどうかもわかんない。
あー・・・・すごく、ヤバイ。
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