1話

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うーん……職員室ってどこなんだろう……。 二階かなぁ。前の中学は二階に有ったんだけどなぁ。 とりあえず二階に行ってみよーっと。 階段を使って二階に降りてみました。 えっと……ここは、普通の教室?上には……2年1組とか、2年2組とか……ここの辺りは普通の教室なのでしょうか。 とりあえず、先輩に聞いてみよう。 通りすがった、青い上履きとスカーフの先輩……2年生の先輩方を頼らねば。 まずは……近場に今にもすれ違いそうな、ほんわか系の髪の長い先輩と、少し雰囲気が怖い髪の短い先輩の二人組に…… 「あの~先輩、少し、いいですか?」 「なぁに?どうしたの?うわっさや姉この子赤い子!一年生!きゃーっ!!」 さや姉?赤い子?この先輩なんかすごい嬉しそうな顔をして叫んでるけど……どうしたのだろう。 なんだか、この髪の長い先輩、初対面でもはっきり分かる気がする。マイペースで、今にもこの先輩の世界に惹き込まれそうな感じ。それと……高めの超音波ボイス……絶対合唱部では、ソプラノパートに居そうな…… 「……だからどうした、要件聞きなよ」 「ご、ごめんねぇ~、えっと、なあに?」 ……あ、答えなきゃ。 「あの……職員室って、どこにありますか?」 「う~ん……まずはねぇ、一階まで降りて、廊下を歩くと、別の建物に通じる通路があるの。その通路を通って別の建物に行くと、あら不思議。職員室へ到着っ。わかった?」 「は……はいっ!ありがとうございます!」 「よしよし。いい子ちゃんね。」 そう、髪の長い先輩にお辞儀をすると、なぜか髪の長い先輩から撫でられてしまいました! えっ、恥ずかしいなぁ。どうしよう。 「……まったく。もういいかな?」 「ひえっ……すみません!ごめんなさいでした~!」 思わず声を漏らしてしまいました。 怖い、隣にいる髪の短い先輩怖い……っ! 眼付きがまるでサバンナに居る動物みたい! 私は、先輩を後にし、急いで職員室へと向かいました。
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