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ですが……
「遅れて……すみま、せ……」
『あれ?新入生ちゃん?ここ三年生の教室だよ?』
『ご入学おめでとう~!』
『早く行ったほうがいいよ~一年生は三階だから!』
『頑張れ~!』
入学早々、私、橋留和音、やらかしてしまいました。
ここは一階だけど、三年生の教室……?えっ、この学校これまでの私の中の常識が通用しないの?
まあそんな事は置いといて。
「先輩方、すみませんでしたぁぁぁああ!!!うああああ~ん!!」
私は、情けない声を漏らしつつ、三年生の教室を後にしました。
一年生の教室は三階。先輩方には感謝ですね。
階段を駆け登りながら、私はいつか先輩方に恩をかえさなければな、と心の中にメモ書きをしました。
♪
なんだかんだあって私はようやく三階にたどり着けることが出来ました。
もう走る必要などない。少しだけ落ち着こう。
「はぁ、はぁ……もう、つかれた、よ」
そう呟きながら、気を一瞬だけ緩ませた、その瞬間でした。
『キャッ?!』
えっ……なんで耳元に悲鳴がって……えええ??!
私は、最初のうちは気を常に引き締めていかなければならないな、とその時点で学びました。
なんと、私は誰かと階段と教室の間の曲がり角でぶつかって倒れ込んでしまいました。
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