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「えと、助けて頂きありがとうございます」  すると機械から謎の言語が流れた。どうやら翻訳機のようだ。老人も同様に機械に向かってボソボソと呟く。 『私はこの島の長老です。あなたは古代の言葉を喋るようですが、どこから来ましたか?』  聞き慣れた言語が機械を通して流れてきた。ん? 古代? どう聞いても現代語だろう。 「ニホンです」  普通にそう答えると、老人は一瞬怪訝そうに眉を寄せこう聞き返した。 『ニホンとは、遥か昔に海に沈んだ島国のことですか?』  僕は4秒ほど固まった。 「……は? 沈んだ?」 『はい。現在はこの島の真下にあります』  澄ました顔で床を指差す長老に、さすがに僕は半笑いを浮かべた。
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