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 それからすっかり夕日は水平線の向こうに沈み、夜が訪れた。  陸の上では僕が行方不明になったって騒いでるだろうな。いや、まだ気づいてないかも。  捜索するにしても太平洋のど真ん中にいたんじゃ見つかりっこないよな。ただでさえ月も星も雲に隠れて真っ暗だし。  夜の海ってこんなに暗いんだ。それに、寒い。昼間はあんなに暑かったのに……。  今更泣いたってしょうがない。泣いたって、干からびるのが早まるだけだ。  涙が頬を伝いクラゲに落ちる。すると突然、僕は淡い青い光に包まれた。  巨大クラゲが体を発光させたのだ。  とても幻想的で、綺麗だった。  その光に包まれているうちに、僕はいつの間にか深い眠りについた。
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