甘い蜜と午後3時

17/98
前へ
/98ページ
次へ
「それは全然構わないよ、あんたの別荘に泊めてもらうんだし」 それにしても、泊めてくれないかって、自分の別荘なのに面白い言い方するな。広い背中に腕を回す。 「本当か!? いいのか?」 目を輝かせながら言うのが、なんだかガキンチョみたいでちょっと可愛い。 「だから、いいってば」 「本当にか?」 「ったく、しつこいよ。メールもしつこかったけど」 「メールのことは勘弁してくれ、さすがにやりすぎたと思ってる。必死だったんだ、お前に繋がるために」 慌てて弁解する。 反省してるようだし、ここまで来てそれ以上追求するつもりもないけど。 それにしても自分自身、彼に対して生理的にも精神的にも意外と抵抗がないことに驚きもしていた。初めましてではないとはいえ、あまりにもナチュラルに彼を受け入れてしまっている。 ノンケを自称してる身としては、シラフのままする男同士のキスやハグは、もっと抵抗があるものだと思っていた。 俺はノンケじゃなくて、バイセクシャルなのかもしれない。 (結局、男3人とヤってるしな…) まぁ今更おぼこいこと言う必要もないか。 不安要素はもう1つあったけれど、そっちも今のところ問題なさそうだし。 「よし、じゃあ風呂も一緒に入ろう!あの時みたいに!」 目を輝かせながらデカい声で言うもんだから、耳が痛くなった。 「うるせえな!近所迷惑だろ!」 「近所迷惑なわけないだろ、隣の声も聞こえないんだから」 「だとしても静かにしろって。雰囲気台無しだわ」 するとこっそり耳打ちしてくる。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

811人が本棚に入れています
本棚に追加