甘い蜜と午後3時

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肌が白いから、月の青い光がすごく映えてる。青い肌に吸い寄せられて、自然と唇を重ねる。 重ねたいだけだったのに、待ってたみたいにすぐに舌を割り込ませてきた。 「っ、ん」 それも拒まずに受け入れる。首に腕を絡めて、少し背伸びをして。 酒の匂いが抜けるのも構わず、深いキスを交わした。 「ふぅ、っ」 静かな海辺に似合わない、艶めかしい音が響く。 だんだん体が熱くなってきた。 ケツを大きな手で撫でられる。Tシャツの裾から手を差し入れてきて、背中を優しく撫で上げてくる。 火花がパラパラと散るような細やかな刺激が、快感になって体を突き抜けて行く。 「あ……」 苦しくなって唇を離した。彼の唇はすぐに、俺の耳から首筋にかけて優しく辿ってくる。 「ぁん」 もう声が濡れてる。自分の喘ぎ声を客観視しながらも、彼の手や唇が体を辿っていく感触に身を任せる。 「相変わらず色っぽい声出しやがる」 彼はふっと笑いながら言う。 「相変わらずって、だいぶ前に1回ヤッただけじゃん」 「その時から変わってないってことさ、全然変わってない」 「よく覚えてるね」 「そりゃあ覚えてるよ。あれから、どんな男を抱いたって、お前よりいい男には出会えなかったからな」 「……」
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