第一ノ章 〔僕は殺してない〕

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気づいたら僕は複数の 白衣の医者達に囲まれていて みんながみんな僕を取り押さえる くそ…動けないッ! カニス・ウエイ=ルナティクス 「グアァァァァッ! はなせェェェッ!!」 うッ…首に注射針が突き立てられた 鎮静剤が注入される…ッ 「よし!速効性を高めてるもの だから落ち着くはずだ…」 僕の体の力が早速、抜けてきた 両足の膝がガクッとなる… 僕は倒れそうになってそのまま 椅子に座らされた… 「よし、これで大丈夫だ… まったく手間がかかるやつだ みんな出るぞ」 白衣の医者達は慌ただしく 部屋を出ていった… 僕は力なく椅子に腰かけている 目の前がぼんやりして… 頭の中もまっしろけ…… その状態でも僕は訴え続けた カニス・ウエイ=ルナティクス 「彼女を殺したのは僕じゃない… 僕じゃないんだ…」 当時の事をもう少し思い出してみる 彼女の青ざめた顔… やはりそこまでしか思い出せない… あ、そうだ…僕が次に目を覚ました時 着ていたパジャマはボロボロに破けてて 彼女の無惨な遺体が転がっていたんだった… 僕は椅子に浅く腰掛けながら 目を細めた… そして言葉を続け…無罪を主張する ふと思い出したことがある…満月の夜… 僕の記憶が飛ぶ前に必ず見る双首の影 アイツだ…満月が…僕の中のアイツを…image=506013497.jpg
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