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気づいたら僕は複数の
白衣の医者達に囲まれていて
みんながみんな僕を取り押さえる
くそ…動けないッ!
カニス・ウエイ=ルナティクス
「グアァァァァッ!
はなせェェェッ!!」
うッ…首に注射針が突き立てられた
鎮静剤が注入される…ッ
「よし!速効性を高めてるもの
だから落ち着くはずだ…」
僕の体の力が早速、抜けてきた
両足の膝がガクッとなる…
僕は倒れそうになってそのまま
椅子に座らされた…
「よし、これで大丈夫だ…
まったく手間がかかるやつだ
みんな出るぞ」
白衣の医者達は慌ただしく
部屋を出ていった…
僕は力なく椅子に腰かけている
目の前がぼんやりして…
頭の中もまっしろけ……
その状態でも僕は訴え続けた
カニス・ウエイ=ルナティクス
「彼女を殺したのは僕じゃない…
僕じゃないんだ…」
当時の事をもう少し思い出してみる
彼女の青ざめた顔…
やはりそこまでしか思い出せない…
あ、そうだ…僕が次に目を覚ました時
着ていたパジャマはボロボロに破けてて
彼女の無惨な遺体が転がっていたんだった…
僕は椅子に浅く腰掛けながら
目を細めた…
そして言葉を続け…無罪を主張する
ふと思い出したことがある…満月の夜…
僕の記憶が飛ぶ前に必ず見る双首の影
アイツだ…満月が…僕の中のアイツを…
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