2人が本棚に入れています
本棚に追加
僕がうわ言のように
口走ってると扉が開いた
来たのは僕を逮捕した刑事さんだ…
僕は椅子に力なく腰かけたまま
目だけ刑事さんに向けた
刑事
「カニス、今いってたアイツって誰のことだ
今、満月がアイツを呼び起こした
自分の中のアイツを…と言っていただろ?」
なんだよ、この刑事さん…
やっと僕の話を聞く気になったのか
僕は朦朧とする意識の中
刑事さんを見つめた
カニス・ウエイ=ルナティクス
「ああ、そうさ…
アイツだよ…満月の夜
決まって現れる双頭の影…
あれは、僕の影なんだよ
それは…最近、気づいたんだ
頭が2つに割れて変形する…」
刑事さんは自分の顎を触りながら
少し考えるような仕草をしている…
刑事
「それは狼男症候群ではないよな…?」
狼男…症候群…?
僕は項垂れながら首を傾げた
刑事
「ああ、失礼…自分が狼男であると変異など
してないのにそう勘違いしてしまう病の事さ…」
カニス・ウエイ=ルナティクス
「あぁ…一種の二重人格という奴か…
でも、残念ながら…僕はそれじゃない
実際に変異してしまってるんだと思う…」
刑事さんは何か考えながら小さく
ため息をついて部屋から出ていった…
鎮静剤の効果か、だんだん眠くなってきて
僕は椅子に浅く腰掛けたまま目を閉じた……
最初のコメントを投稿しよう!