第4章 アクア アクア商会を立ち上げる

2/4
144人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
ー数分後商業ギルドにてー 「王妃様が来たぞ!!」 と、商業ギルド内が騒々しくなり、ギルドの受付の方に急いで向かった。 「王妃様。如何なさいました?」 「『アクア商会』を作りたいんだけど、どうすればいいかしら?」 「それならこちらへ。」 と、私は、商業ギルドの受付の人に別室に案内してもらった。 「『アクア商会』を立ち上げになされたいと仰っておりましたが………ギルド会員ではございますか?」 と、受付の人は、言った。 「いえ。ギルド会員じゃないとダメかしら?」 「えぇ。『〇〇商会』を立ち上げるには信頼の証となる会員証が必要でございます。」 と、受付の人は、言った。 「なら作ってもらえるかしら?」 「はい。では、少々お待ちください。」 と、受付の人は、言い、部屋から出てとある機械を持って来た。 「王妃様。こちらに右手を翳して頂けませんか?」 「これに?分かったわ。」 と、私は、言い、機械に右手を翳すと、ギィーと音が鳴り、機械の中からとある金属製の板が出てきた。その板を受付の人から受け取った。 「王妃様!?」 「どうかしたの?」 と、私は、言った。 「何か商売(商い)してました???」 「いえ?何も。初めて来たよ?ココに。」 「最初からこの色に輝く事は決して有り得ないことなのですが、まさか………。」 と、受付の人は、機械の故障を疑い、説明書を読み始めた。 彼女曰く、通常、会員初日の会員証の色は、ほぼ全員白だとの事。会員証の色は、大きな取引を規定回数成立しないと変わらないと言う事で、初日で最高ランクである純白の会員証に賞状とかによくある金色に輝く月桂冠の装飾が描かれている会員証は、初めて見たとの事だった。 でも私の会員証は、|純白の会員証にうっすら純銀の龍が炎を吐いているラメデザイン《彼女が見ている一覧表の中に書かれていないデザイン》で超最高ランクとの事にして貰った。所謂イレギュラーな存在との事。 ーーこの純銀の龍って………。 ーーアクア様の契約龍のリアでございますね。カッコイイデザインです。 ーーリアって純銀の鱗なの!? と、私は、妖精女王と雑談をして、受け取った会員証をまじまじとみていた。 「王妃様。『アクア商会』の立ち上げに関して申請書をお持ちしますね。少々お待ちください。」 と、受付の人は、言い、部屋を出て申請書を持ってきてくれた。それに私は、署名をして彼女に返した。 「明日、『アクア商会』の行商人来ると思うので!」 と、私は、言った。 「王妃様。1つ忘れ物がございます。」 「えっ!?何!?」 「会員証を作った後、手形を作らないといけない規則がございます。」 「手形?なにそれ?」 「片方を『アクア商会』が持ち、もう片方を取引相手が持ちそれを照合する為の道具でございます。王妃様のランクが超最高ランクなので荷車を多数所有出来ますが、如何なさいます?」 「今の所1台だけかな。荷車。で、手形ってどうやって作るの?」 「手形、『アクア商会』が所有する方も合わせますと100枚程作れば宜しいかと。作成法ならこちらの機械に魔導術をぶつけてください。壊れないので。よっぽどの事がない限り………あったわ〜…………。」 と、受付の人は、最後の方諦めながら言った。 「じゃあこの機械に魔導術ぶつけるね。」 と、私は、言い、氷海属性の魔導術をぶつけた。威力を超抑えて。すると壊れなかった。 受付の人は、壊れなかった機械を戦々恐々と見ながら機械から出てくる手形を10枚ずつ取って私にくれた。 「初回、これを取引相手に渡せばいいわけね。」 と、私は、言った。 「はい。足りなくなったら王妃様直々にお越しください。作りますので。」 と、受付の人は、言った。 「代理じゃダメなの?」 「この模様の魔導術を詠唱可能な人います?」 「…………居ない。結局ダメかぁ。」 「ですね。あっ。王妃様。地図持ってます?」 「持ってないけど?」 と、私は、言うと、受付の人が世界地図を見せてくれた。 「ココがルネチツォルティ帝国で、ココが龍峰バラライナ自治領共和国連邦。そして…………。」 と、受付の人は、言い、世界地図を広げて、世界各国を教えてくれた。 龍峰バラライナ自治領共和国連邦とは、この世界で随一の標高を誇る山・リパレメーポアート山の尾根のどこかにある龍だけが住まう国で私の契約龍であるリアやお姉ちゃんの契約龍であるマリンの故郷。自治領共和国連邦とルネチツォルティ帝国の間に極小国ではあるがオルヴァウォルティ王国があり、一応ルネチツォルティ帝国の従属国である。そのオルヴァウォルティ王国の東部近くまで、この世界随一の広さを誇るンユニ塩湖が、帝国の壁の50(メートル)先を含み、ルネチツォルティ帝国の東門を過ぎ、300M(メートル)先からあり、とてつもなく広いのだ。自治領共和国連邦を越えて北上すると、湖上に浮かぶ常日頃雪が舞っている大国・ツクォナダン=ユソルムナハリヒスパゲサユ王国がある。そこは、女王が統べる王国で、前世で言うとロシアと北欧を合体させた感じの国土を誇る。 その国土の広さは、ルネチツォルティ帝国に次いでの広さ。ルネチツォルティ帝国東端にある私の故郷のユリアンディリア村からまた東へ500M(メートル)行くとルネチツォルティ帝国の東門がある。そこから9KM(キロメートル)行くとランシエラリゴレス海と言う大海に出る。ランシエラリゴレス海の目の前にある国チルバームアバール大公国にて渡海券を買い、券を使いランシエラリゴレス海を渡海してやっと、ガルボオナーラ=ノルダリミア神聖国に着くという。 アンジェラ曰く、ルネチツォルティ帝国は、チルバームアバール大公国と友好国ではあるがガルボオナーラ=ノルダリミア神聖国とは、友好国にはなってない。結構遠いからなんだけど。ツクォナダン=ユソルムナハリヒスパゲサユ王国は、結構遠いのだけれどギリギリ友好国にはなって貰っている。何故ギリギリかって?私が産まれる前に不戦協定を締結しているかららしい。不戦協定の更新はいつなのだろうか。私も行ってみたいな♪ツクォナダン=ユソルムナハリヒスパゲサユ王国。 ルネチツォルティ帝国から西へ800(メートル)行くとギュノール帝国。はたまた、そこから西に300M(メートル)行くとカーザヘノララド合衆国がある。 「カーザヘノララド合衆国ってさ?」 と、私は、言った。 「はい?」 「友好国だっけ?」 「友好国です。とうもろこしとか有名です。屋台で焼きもろこしを食べられますよ。」 「えっ?」 と、私は、言った。 「えぇ。美味でございますよ。」 と、受付の人と、雑談して、『アクア商会』立ち上げが終わった。 受付の窓口に戻ると、私と同じ歳ぐらいの男の子が居た。 事情を聞くと荷車を持っているんだが商会に入らないといけないらしくあたふたしていたらしい。 彼に私は、『アクア商会』に入るようにお願いをした。彼は、快く承諾してくれた。 さてと、後宮に戻ろっかな…………。あれは?何してんだろ? と、私は、商業ギルドの内の何個かあるテーブルの真ん中の(テーブル)で凝りに凝った立体的なチェスの駒を見ていた。 「あれ?お姉さん。これに興味があるの?」 「えぇ。そうよ。これってチェスかしら?」 と、私は、そのテーブルの向かいに座っていた私と同じ歳ぐらいの男の子に聞くとそうだと答えた。 すると、商業ギルド内でチェスの総当たり戦大会が始まった。優勝賞品は、ないとの事らしい。 私は、参加表明をして、私の番を待った。 私の番が来て、参加者全員と総当たり戦で戦い、全員に余裕勝ちをした。 その後私は、チェスを持って来ていた男の子からチェスを1セット買おうとしたら、商標登録していなかったらしい。 ーーどうやったら商標登録されるの? ーー現帝陛下・前帝陛下・王妃様の審査を通れば商標登録されます。 ーー王妃様って、私でも可能かな? ーーえぇ。可能です。 ーー審査を通したとして1セットいくらで買えばいいかしら? ーー言い値で宜しいかと。 と、私は、妖精女王と雑談をして、高らかに商標登録宣言をした。 「えっ?」 「この『チェス』を10セットを言い値で買うわ。いくらにする?」 と、私は、言うと彼は、普通に買える値段を言ってくれた。 ーー審査通しました? ーー私が買えば審査通したってことにならないの? ーーええ。 ーーうそ!? と、私は、とてつもなく驚愕した顔で妖精女王と雑談をして、彼に、審査通すことを告げて、商会ギルドを出ようとしたら酔っ払いの冒険者達が何故か商会ギルドの扉を乱暴に蹴りで開け入って来た。 「おい!!!酒を持ってこい!!たらふく飲ませろー!!」 と、酔っ払いの冒険者の1人が叫び、周りが拒否反応を示すと短剣で私の向かいに座っていた男の子を脅した。 「近づいたら殺すぞ。」 と、相変わらず叫んでいた。 ――氷属性魔導術って特定の相手にだけ詠唱出来るよね? ――えぇ。 ――ありがとう。 と、私は、妖精女王と雑談をし、酔っ払い冒険者達を氷属性の魔導術を無詠唱で攻撃した。 すると、酔っ払い冒険者達は、氷漬けになっていた。それを見て私は、アンジェラに憲兵団を呼んで貰った。 「大丈夫だった?」 と、私は、怯えていた男の子に寄り添いながら言った。 「はい。」 と、彼は、怯えながら言った。 すると憲兵団が来て酔っ払い冒険者達が実は大悪党だったことが判明した。 憲兵団が氷漬けの大悪党を馬車に乗せて商業ギルドを出た。 その数分後、私は、男の子にお家まで護衛をつけようかって言うと却下されたので商業ギルドの前で見送った後、アンジェラと共に後宮に戻った。 後宮に戻り次第、晩御飯を食べ、商業ギルドで起こった事の顛末をルドルフと前帝陛下に伝え寝室で調べ物をした後寝た。 ―翌朝― 朝御飯を食べ、執務室で学校の準備をしながら昨日の男の子にブンチョウで商業ギルドに昨日と同じ時間に来てねと手紙を書いた。 ブンチョウを飛ばしたのと同時に扉をノックしてアンジェラと前帝陛下が来た。 「アクア。お主に与えた工房なのだが住宅街のココに移転することにした。」 「えっ?」 と、私は、言い、前帝陛下の指先を見るとそこは広い広場の中央にレンガ造りの建物が今日の午前中に建つ予定だそうだ。 「アクア商会の本社がここにできるんですね。」 と、私は、目を輝かせながら言った。 「あぁ。そうだな。今日ルドルフと行くが良い。準備中すまなかったな。行ってらっしゃい。アンジェラ行くぞ。」 「はっ!」 「制服着終わってて後は、鞄準備するだけだったんですけど………。って聞いてないし。」 と、私は、前帝陛下の後について行くアンジェラの後ろ姿に言った。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!