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地上から地下へと向かうエスカレーターを降りて切符を買う。
改札を抜けてさらに下る。気持ちがどんどん沈んでいった。
ホームには「姪浜(めいのはま)」行きの電車が止まっていた。
私はその1つ前の駅「室見(むろみ)」で降りる。そこが家から
一番近い駅だ。
車内には数名しか乗っておらずガランとしていた。誰も座っていない
座席に一人腰掛けた。今まではいつも隣に彼がいた。そんな思い出が
脳裏に浮かんでくる。
寂しさが胸を締め付けた。また涙が溢れてきた。周りに気が
付かれない様にハンドタオルで目を押さえた。先週一生分の涙が
出てしまったと思っていたのに、まだ残っているらしい。
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