『暗闇の世界』へ

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しばらくすると発車ベルが鳴り、ドアが閉まった。電車はゆっくりと 暗いトンネルへと動き出す。 暗いトンネルは次の駅まで続く。2分ほどで次の駅に着くと電車の ドアが開く。駅のホームは照明で明るく照らされている。 だが、私の心は一向に沈んだままだった。涙も止まらない。 発車のベルが鳴り、またドアが閉まる。 何回かそれが繰り返されたあと、駅を発車してトンネルに入ったとき ポツリとつぶやいた。 「このまま『暗闇の世界』へ行っちゃわないかな?」 すると突然声がした。 「そんなところには行きませんよ」
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