『暗闇の世界』へ

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「だっ、誰!?」 驚いて声の方を向くと、いつの間にか見知らぬ男性が私の隣に 座っていた。 「『暗闇の世界』なんて駅はありませんから」 その男性はニッコリと微笑んだ。 「僕は、…いや地下鉄は目的地の最寄駅まで乗客を運ぶのが仕事なのです」 私は不貞腐れた。 「そんなこと、分かってます」 「暗いトンネルを通っても、目的という未来に向かって走っているのです」 (この人、宗教の勧誘でもしてるのかしら?)
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