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極力控えめに調光されたダウンライトが、30畳のリビングに柔らかな灯りを落とす。
BGMのチェロの響きが心地よい。
俺は窓際に身体を寄せて、遮光率100%のカーテンを窓いっぱいに広げた。
強化ガラスをはめ込んだ巨大な窓に視界いっぱいの東京のネオンが飛び込んできた。
テーブルの上には、二挺の拳銃と二杯のマティーニ。
無口に開かれたPC画面にはメール。ウサギ男から殺しの依頼だ。
「古乃実、昔のお前は死んだ。今日からお前は、殺し屋としての人生を歩む。お前の望みだろ。俺の気が変わらないうちに銃を磨いとけ」
「は…はい」
古乃実はとても嬉しそうに俺の顔を見た。そこには一筋の迷いも感じられなかった。
その時だった。
巨大な窓の外に正体不明の輩が二人、天からするすると降りてきて、こっちを向いて止まった。
奴らか?
「シンちゃん逃げてえ」
マシンガンを構えている。服装がまるでSWATだ。大体屋上からぶら下がって来るなんて、訓練された者がやる事だ。こいつらまじで俺たちを殺る気だ。
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