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俺は奴らがマシンガンを放つ前に、既に古乃実をお姫様抱っこをして、隣室の壁に待機した。
パララララララララララララララ…
バリバリバリバリバリバリバリバリーン!
パララララララララララララララ…
パララララララララララララララ…
部屋じゅうが滅茶苦茶になって、真っ暗になった。しかし奴らは頭にライトをつけていた。眩しくてよくわからないが、後から来たやつを含めて、6人いる。いや7人だ。
「冗談だろ?お前の親はいったい何者だ?」
「まともじゃないわね」
「まあいい、見てろ。これから殺し屋の心得を教えてやる。レッスン1だ」
「──シンちゃんかっこいい」
だが正直言うとかなり焦っていた。俺はただの殺し屋だ。こういうファイトは映画でしか観たことがない。
ライトはじわじわ近づいてくる。玄関は後ろだが、恐らく外にも仲間が待機しているだろう。万事休すだ。
「でもさ、シンちゃん…ちょっとヤバイと思ってるでしょ」
「ハハ…ふざけるな。俺は殺し屋だぜ。
なーんてな。古乃実、次は死後の世界で会おう」
「まだ諦めないでよ。私が行けばなんとかなるかも。待ってて」
「バカやめろ!行くな!」
古乃実は俺を振り切って、真っ暗な闇に向かって飛び出した。
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