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「私よ。みんな私は大丈夫。無事だから──」
パン パパンパンッ
「キャア」
「馬鹿、やめろおぉぉ」
古乃実の身体は千切れた羽のように空を舞った。スローモーションでも見てるかのようになって、その場に倒れた。
「古乃実いぃ!」
パララララ バラララララララ
くそっ!
叫んで飛び出そうとするが、マシンガンに阻まれる。しかも暗闇と煙で殆ど何がどうなっているのか分からない。倒れた古乃実の姿さえ目視できないでいる。
この時俺は死を覚悟した。このまま突っ込んで一矢報いるか、それとも自ら死を遂げるか。どちらにしても結果は同じだろう。だったら、せめて古乃実の近くで死にたいじゃないか。
うおおおおおおおおおおおお
パンパンパンパンパン!
叫びながら、闇雲に乱射しながら俺は突っ込んだ。
「古乃実!」
あれ!居ない?!
倒れてた筈の場所に古乃実の姿は無かった。どこをどう見回しても居ない。
「シン…ちゃん…」
俺は愕然とした。幽鬼のように立っている暗闇の影は古乃実だったからだ。口から下に血を流して、辺りを睥睨している。まるで半分何かに取り憑かれたかのように。
「古乃実、どうした?奴らはどうしたんだ?」
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